妊娠中の歯科治療(2)

今回は、妊娠中の歯科治療の第2回目として、妊娠中の投薬についてご紹介していきたいと思います。
先天異常の頻度は、全分娩の2~4%を占めており、その65~70%が原因不明、25%が遺伝的要因、3%が染色体異常、3%が母体の環境的要因(薬剤、放射線、感染、喫煙など)によるといわれています。したがって、先天異常の原因の中で、薬剤の占める割合は多くはないのですが、他の原因と比べて人為的に回避できるので、服用した場合には必要以上に不安を与えてしまうのです。もちろん、妊娠中に不必要な服薬は避けるべきですが、極端に服用を恐れて、母体の健康を損なっては、母体のみならず胎児にも悪影響を及ぼしてしまいます。
それでは、妊娠のどのステージで薬を服用すると、胎児に影響が大きいのでしょうか。胎児の週齢によって、薬剤の影響は異なってきます。受精前から分娩までを4つのステージに分けて解説していきたいと思います。
(つづく)